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TOMBOW Design Collections ZOOM101(万年筆)


トンボ鉛筆の筆記具高級ライン、デザインコレクションの20周年目のニューモデル、ZOOM101(万年筆)をご紹介します。


カーボンファイバーとジュラルミン素材で構成された101。
14g(カタログ値)という超軽量さが大きな特徴です。


     

昨年発表されたZOOM414もそうでしたが、極めてクリーンでスリムなデザイン。
編み目模様が美しいカーボンファイバーの黒とジュラルミンの銀との対比がクールです。


     

ペン本体は細い上に長さも短め。
右の写真は上からラミー・ペルソナ、101、ラミー・サファリとなりますが、明らかに短め。
軸の細さも雰囲気をつかんでいただけるとおもいます。
ちなみにわたしは万年筆やローラーボールなどはキャップをつけないで筆記するのですが、
手が小さめということもあって、特に不都合はかんじません。
(手の大きい方は細さや短さが気になるかも)
軽量で硬質なペン軸の剛性感を味わいながらの筆記は、また格別なものです。


キャップをペン尻に装着しても、クリーンな円筒形が保たれたシンメトリカルなデザイン。
オブジェクトシリーズやZOOM980のデザインも同様のコンセプトですね。


     

キャップ部分です。
角張った形状のクリップが天冠から飛び出しているというディテールはかなり個性的。
シンプルな円筒形のペン軸ですから、なおさら強調され目を惹く部分です。
(クリップはバネが仕込まれた可動式です)

また円筒を斜めにカットし、異素材を接合させた部分は段差も無く滑らかに納まっています。
ここは個人的にディテールの最大のハイライトだとおもっています。すばらしい!


     

ペン先の部分をバラしたところです。

軽量化のせいもあってか、最小限の構成です。
ペン先はスチール製。形状はごくオーソドックスなもので、太さはFのみ。(正式発売のときは選べるのかな?)
軸方向に横文字でメーカー名が入っているところが、ちょっと珍しいです。
「F」の表記はちょっと見えづらいですが、右側の写真のニブの根元部分に刻印されています。

首軸もジュラルミンとのことですが、切削加工の美しさといい、ペン軸にねじ込むときの金属の擦れ合う音といい、
メカニカルな楽しさを味わえるとおもいます。
また、内側に補強材が見あたらないカーボンの軸本体も軽量なのはもちろんのこと、
カチカチとした硬質な音や触感から、その剛性感を味わうことができます。


     

左はペン尻部分です。
金属パーツの中央部にキャップを保持するラバーのリング(Oリング)が装着されています。

右はコンバーターを装着しているところです。
インクはカートリッジ式(ヨーロッパタイプ)ですが、純正のコンバーターは発売されていないそうです。
ということで、写真のコンバーターはロットリング製。
いまのところ調子が良いのでこのまま大丈夫とはおもいますが、使用に関しては自己責任ですね。


筆記してみました。
書き味のほうは、全くの経験不足で大それたことを言えないのですが、
つかっているうちにフローも安定してきましたし、基本的には書きやすいです。
ただしニブはわたしが持っているほかの鉄ペンと比べて硬め。
字の太さはごく一般的なFと考えていただいてよろしいかとおもいます。
ただしこのペン、2日前に届いたばかりなので、しばらく経つといろいろ印象が変わってくるかもしれません。
気になるかたは店頭にてお試しのほど。




カタログでも強調されているように、このペンの最大の特徴は「軽量」なことです。
そのために補強なしで剛性を保つことができるカーボンファイバーの筒を機能部品としてつかっていたり、
金属パーツは、軽量さと強度を両立したジュラルミンをあえて採用するなど、
独自のこだわりが施されています。
ただ、「重厚長大」という一般的な万年筆のイメージとは全く逆のコンセプトなので、
好き嫌いや相性が合わない、ということはもちろんあるとはおもいますが、
あえて?独自路線を貫き、商品化された20周年の節目のモデル。
つくりや仕上がりの繊細さも特長かとおもいます。
星の数ほどあるペンのひとつのバリエーションとして、機会があればお手にとってみてはいかがでしょう。


参考リンク:     TOMBOW Design Collections      TOMBOW EUROPE


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